試乗記: アバルト 595 キュートなコンパクトハッチの実力はいかに

スポーツカー試乗記

アバルト 595

ハッチバック

新車価格 435万円

外国車試乗となります。

が、スーパーカーではなく、ホットハッチのアバルトです。

小型車天国の日本にいながら、わざわざ海外メーカーのホットハッチを選択する必要性は?

と、感じる方もおられるかと思いますが、その個性は日本車にはないものです。

まず、外観。

可愛いいとカッコいいが上手く同居しています。

背が高いのはありますが、もともとそういうコンセプトのクルマなんで問題無し。

ちょっと派手目な色か、オプションでラインなんか入れて乗りたい感じですね。

で、内装。

こちらも個性的。

いい悪いは別としても、日本車にはないテイストです。当然このクルマのキャラ通り、木目や本革なんかは使われておらず、全面プラスチックですが、いわゆる小型車の内装材というより、良い意味でオモチャ感があるので、安っぽさもおしゃれに見えます。

で、そもそも論として、日本車では得られない、いまや超希少な左ハンドルのMTが選べるという点が最大の長所です。

欠点は、狭い、使い勝手悪い、装備が陳腐、見た目以上に小回りが効かない、燃費が良くない、など結構たくさんあります。

が、これをファミリーカーにしようという人もいないでしょうから、まあ、その辺を気にする人は、そもそもこれを読んでないと思います。

と、書いてきましたか、ここまでの内容だけでも欲しいと思った方は、わざわざこれを選ばずにベースのフィアット500にしてください。

アバルト595の最大の欠点は、高い!ですから。

なんせ、この車格で400万オーバー。しかもスポーツカーのくせにリセールもそんなに良くない。

これを買うなら、その走りに満足した時のみ。

と、いう事で、試乗です。

まず、ハンドル、ペダル類の感触はともに良好です。ハンドルの剛性感はほどほどですが、重さや動作感、インフォメーションはスポーツカーのものです。ペダル類も同様に、軽すぎず重すぎず、ヨシです。

乗り心地は、ハッキリ言って硬すぎ。シートもそれほど良くないので、街中では跳ねます。

が、この跳ねるというのは、乗り心地的にという意味で、クルマが落ち着かないという事ではなく、高速でも安定しており、この車格からは考えられないほどの高速直進安定性を持ちます。

多少の轍や段差でも怖さがなく、レーンチェンジも非常にスムーズに決まります。

が、残念ながら上に書いた欠点の上、クルコンが無くタンクも小さいので、GTとしては向いていません

やはり、本領発揮はワインディングでしょう。

加速は素晴らしく速いです。特に中速域でドカンと来るので、非常に気持ちいい

ただ、上までビュンビュン伸びるかというとそうでもなく、あくまで6,000回転までで楽しむクルマです。

レスポンスにはまだ多少改善の余地があるものの、踏んだら一気にドカンとくるため、中低速コーナーの立ち上がりは、結構速いと思います。

車重が軽くてブレーキもよく効きコントローラブルで、さらにハンドルに合わせてクイックに曲がる上、アンダー、オーバーもそう簡単には出ません。

そのあたりをトータルすると、やはりワインディングの、それもコーナーが続く区間では、バカデカいスーパーカーには負けません。

速いだけでなく、音も小気味いいので、ワインディングは最高に楽しめるでしょう。

ただ、パワー(トルク)感だけなら、GRヤリスが圧倒的に上で、スイフトスポーツとトントンです。

それだけに、スイスポプラス200万円、GRヤリスとほぼ同じ額を払えるかと言われると、、、お好みにお任せします。

では、総額評価。

★★★

素晴らしいクルマですが、価格合理性を考えると、こうなるかな。。。

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